【感想】『クリムゾンの迷宮』(貴志祐介)

こんにちは。

本日は、私がたった今読み終えた貴志祐介さんの『クリムゾンの迷宮』についてのネタバレ無しの紹介・感想を述べていこうと思います。貴志祐介さんのご著書を紹介するのは、前回の『ダークゾーン』以来ですね。その間他の貴志祐介作品は読んでいないので、久々に読んでいきなり記事にしようと思えるのはやはり外れのない作家さんだなと改めて思いました。

本書は私の中で『ダークゾーン』を超えることはなかったのですが、人に勧めるとしたらこちらの『クリムゾンの迷宮』になると思います。いわゆる「デスゲーム」ものとしてよくできていますし、ダークゾーンより幅広い読者層に受けると思います。

物語の始まりは、主人公の男が目覚めるところから始まります。寝ている背中に違和感があり、気が付くとそこは全方向が岩山に囲まれた赤茶けた世界が広がっていた。直近の記憶を失っており、なんでこんなところにいるのか全く思い出せない。近くにはビニール袋があり、中を確認してみると、なんとそこにはゲームボーイカラーが!「火星の迷宮へようこそ」男は既に恐ろしいゲームに巻き込まれてしまっていた……。

もちろんゲームボーイカラーとは書かれていませんでしたが明らかにそれですね。赤外線を受信する部分で昔ポケモンでふしぎなおくりものとかやりましたよね。しかしデジタルな要素というのはこれだけで、小説全体としてはほぼアナログの泥臭い展開となります。小説としては前述したようにデスゲームに分類されると思うのですが、やってることは本格的なサバイバル生活をしながらのリアル鬼ごっこになるかと思います。デスノートとかと違って特殊能力みたいなものが一切出てこないので、逆に新しい印象を覚えました。

それから本作品に密接に関わってくる要素として、「ゲームブック」というものがあります。ある世代のお兄さんたちにとってはなじみ深いものかもしれませんが、実は私が初めて知ったのが、Kindle Unlimitedでたまたまこういったものが対象商品になっていたからなんですね。Kindle Unlimitedでゲームブックが色々と読める(というか遊べる?)ようになっているので、興味のある方は是非読んでみてください。私は『顔のない村』という作品をトゥルーエンドまでやりました。タイトルからわかるようにホラー系ですね。ホラーゲームと違ってSEで驚かすとかもないので雰囲気でじわじわ怖いという感じでした。ゲームブックを先に知っていたので、イメージしやすい部分はありましたね。

今作でも他の貴志祐介小説にあるような「見せ場」……といったら変かもしれませんが、「ひぃぃ」となるようなおぞましいシーンもしっかりあって楽しめました。またラスボスとのバトルももはや恒例になってますよね(笑)。そしてあまり小難しくて詳細すぎる説明とかはなかったので、そこは逆に娯楽作品として読みやすく、そこも評価したいです。

主人公とペアを組むことになった「藍」という女性の正体についても、最後に言及されておりちょっとゾクッとするような内容だったので、そこも注目です。仕事の疲れを忘れて、とびっきりの非日常を経験したい方に是非おすすめしたい小説の紹介でした。

【感想】『クリムゾンの迷宮』(貴志祐介)” に対して1件のコメントがあります。

  1. LarueD より:

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