【感想】『コクーンマンションへようこそ』(高山 環)/設定がおかしい新感覚SF
『コクーンマンションへようこそ』という小説を読みました。
タイトルからして面白そうですよね。ジャンルとしてはSFに入るのでしょうか。日本のとあるマンションを舞台にした変わった設定の小説です。
一時期海外ドラマで『ドーム』というのが話題になりましたよね。透明のドーム状の未知の壁に閉じ込められてしまうという。あれが一つのマンション全体を覆ってしまうという内容です。そういう感じなので、あまり怖い雰囲気はなかったですね。
この小説の楽しむべきポイントは、まずマンションの住人が癖の強い人ばかりなので、彼らのキャラクターの面白さが評価に繋がっていると思います。朝ドラが見れなくて文句を言ってくる隣の部屋の老人、マンションが大好きすぎる管理人さん、全身真っ黒で黒いマスクをして歩く謎の少女など、マンションという無機質な舞台を個性豊かな登場人物が彩ってくれています。
またそれらの人物と主人公の会話が面白い。テンション低めなのですが確実に笑いを取りにいく三千頭身のコントのような内容に笑ってしまいます。ユーモアを求めたい人にもおすすめの小説です。
小説全体に関して言うと、マンションを覆うコクーンとは何なのかという巨大なミステリーに主人公は立ち向かっていくことになります。しかし、その前に今まで同じマンションに住んでいた他の住民とは一体どんな人たちだったのかという小さなミステリーを、順を追って解き明かしていくという面白い構造になっています。ミステリーが好きな方にもおすすめですね。
私もマンションに住んでいるので、物語の舞台をイメージし易かったですし、住民同士の絆みたいなものにグッと来てしまいました。現在マンションに住んでいる方には是非ともおすすめしたい一冊です。
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