『愚者の渡しの守り』(アーネスト・スウィントン)

この本はボーア戦争を元にして、1904年にイギリスで発表された空想小説です。

2021年2月現在、Kindle Unlimitedで利用可能であることを確認しました。

愚者の渡しとは、シリアスヴォーゲル川(架空の川)の中で唯一馬車が渡れる箇所の名前であり、この愚者の渡しを敵から守ることが主人公に課せられた命令です。主人公は中尉であり、50人の下士官と兵卒を率いていたので、それに加えていくつかの物資などを自由に使うことができました。

舞台はずっと荒野ですし、登場人物も少ない兵士と現地民だけなので設定としては地味ですね。ただ、私が当時にしては面白い構成になっていると感じたのは、失敗して敵に負けると時間が巻き戻るんですね。そして前回の敗因を教訓として活かせるんですよ。

まさにリゼロです。

“Re:ゼロから始める南アフリカ戦線” です。

そしてまあボーア人が強い。毎回のように主人公の陣営の弱点を突いてきますので、高度な軍事作戦の立案が求められてきます。

そんな内容の本だけあって、この本は各国の陸軍士官学校で、長らく戦術学の入門書のような扱いになってきたそうです。特に戦争に興味のない方でも読みやすいようになってると思います。

あと個人的に面白かったのは、最後に各用語の注釈の一覧が読めるのですが、これがちょっとした軍事とイギリスに関するトリビアになってるんですね。一つ例に見てみると、

”「えんぴ」シャベルのこと。かつてナポレオンも兵士が常に携行すべき装備として挙げたことがある。長い歴史と伝統を誇る兵士の必須装備である。第一の用途は土を掘ることだが、いざとなれば敵に向かって振り回してもよいし、駐屯地の周辺で農業を始めてもよい。”

面白いですよね(笑)。シャベルの見方が変わります。

以上私が読了して楽しめた本の紹介でした。

2時間くらいで読み終わるので興味があれば是非。

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