【紹介・感想】『事故物件7日間監視リポート』(岩城 裕明)/クセの強いホラー短編小説
あらすじ
リサーチ会社を営む穂柄は、あるマンションの一室の住み込み調査を依頼される。そこは、7年前に妊婦が凄絶な自殺を遂げた事故物件で、事件後なぜか隣人たちも次々と退去し、現在はその階だけ無人の状態だという。期間は一週間。穂柄はバイトの優馬に部屋で寝泊まりさせ、その様子を定点カメラで管理人室から監視することに。だが、そこで起きることは穂柄の理解を超えていて……。
どんな小説?
『事故物件7日間監視リポート』は、マンションの一室に監視カメラを設置し、知り合いの男にそこで寝泊りしてもらい、それを主人公が7日間監視して経験した出来事をもとにストーリーが進行していく、架空のホラー短編小説です。著者の岩城裕明さんは2014年『牛家』で第21回日本ホラー小説大賞を受賞された方です。当ブログで岩城裕明さんの小説を取り上げるのは、『三丁目の地獄工場』以来となります。
読んでみた感想
核心的なネタバレは避けて感想を述べていきます。まず怖いか怖くないかで言えば、ちょっぴり怖いくらいの怖さです。ホラー小説をよく読んでいる人からすれば全然怖くないでしょうけど、普段読まない人からすれば怖いかなという感じです。つまりホラーが苦手の人におススメの本ですね。
岩城裕明さんの小説ってちょっと特徴があって、会話とかに面白みがあってホラー小説なのにコメディ色があるんです。それが人によっては余計な要素と感じてAmazonでの評価が割れる要因にもなってるのかなと思います。私は『三丁目の地獄工場』でドハマりしたので、むしろ「キタキター!」という感じで楽しめたのですが。あんまり怖すぎても、読み終わった後に現実世界の生活に支障が出るので、ちょっと笑いの要素を入れてくれるくらいがある意味バランスがいいのかなと思います。それでもこの小説を読み終わった後は、押入れを見るのが怖くなりました。
事故物件っていう状況がすでに怖いからこそ、そこで起きる幽霊以外の出来事に対して主人公が恐怖を感じて恐れる描写が結構上手いなと思いました。ホラー小説ってある意味幽霊を出してしまったらそこで終わりなので、そこまでの小さいジャブのような恐怖でジワジワ盛り上げていく感じがホラーを楽しませてくれました。
まとめ
『事故物件7日間監視リポート』は、ホラー初心者におススメの短編ホラー小説です。岩城裕明の小説が好きな人は絶対楽しめるんじゃないでしょうか。逆に岩城裕明さんを知らない人は、この本は1時間30分くらいで読み終わるので、まずこの本を読んで肌に合うのかどうか試してみてはいかがでしょうか。
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