【考察】『かぎろいの島』主人公の正体がヤバすぎる!!(緒音 百)

『かぎろいの島』というホラー小説を読み終えたので、その感想や考察を書いていきます。

この小説はエブリスタと竹書房が共同開催する最恐小説大賞という小説賞で第三回に選ばれています。

エブリスタとは小説投稿サイトの事で、最怖小説大賞については当ブログでも以前紹介した『ヴンダカンマー』もその受賞作品でした。

あらすじ

天涯孤独の小説家・津雲佳人の元にある日届いた、伯母を名乗る人物からの手紙。
そこには幼い佳人と、十数年前に自死した若き頃の父の写真が同封されていた。
一度あなたの故郷へ来てほしいという伯母に、
佳人は九州南西部の孤島・陽炎島に渡る。
しかしそこは地元の者も近寄らぬ禁域、異人殺しの伝説が残る忌まわしき島だった。

内容紹介

日本の離島という閉ざされた社会で、未だに続いている不気味な因習というホラージャンルというのは、ある種の王道でもあります。

この小説独自の要素もありつつ、そういった面白い小説としての法則をしっかり押さえているので、これから読む人にも面白さを保証できます。

ホラーでもあり、ミステリーでもある。

序盤・中盤でばら撒かれた謎の数々は、最終的に作中で全部解答が得られるので、推理が苦手でも大丈夫です。

そして最後に読者に挑戦を渡すような形で、答えが用意されていない謎が残ります。

事実確認 ※盛大なネタバレ

・主人公の本当の名前は佳人ではなく祥。

・みのりは主人公の姉だった。

・元河彦の正体はセイだった。

・白恵利子は白家の人間ではなく白家に仕える元家の人間

・ハルが産んだのは元河彦との子供だった。

・島民達は、白家の人間をミイラにして食べる為に担ぎ上げていた。

考察!白家の正体とは?※ネタバレ

小説の最後の方にセイが「津雲先生の推理は、まだ一つだけ足りません」と意味深な事を言い残しています。

この謎は結局はっきりと答えがわからず、読者の推理する楽しみとして残されています。

この謎というのが、要するに白家の正体とは何か? という事なんですね。

作中では江戸時代に島に漂着した白人だと信じさせるような書き方をしていましたが、ミイラの話が出てくるとどうもおかしい。

その時代にエジプト人が日本に漂着するというのも変だし時代が合いませんね。

この謎に関して、ミイラという要素と、主人公がみのりと海で分かれるシーンから私の中で一つの回答が生まれました。

それが、白家=人魚説です(笑)。

日本には人魚のミイラというのがどこかの神社に保管されていると、テレビでも取り上げられていたのを記憶しています。

そして、人魚の血を飲むと永遠の命が得られるという伝承もありますよね。

もちろん、作中で島民は永遠の命を得ていませんが、若さを保てるという点で非常に近いものを感じます。

それから主人公とみのりの別れのシーンで、自分を呼ぶ声が海の底から聞こえるという記述も、なんだか同胞の声に呼ばれているように思えませんか。

初めて会った時のみのりの着ていた着物の色を珊瑚の色と表現しているのも意味深ですね。

人魚には女性のイメージが強いので、人魚でないにしても、半魚人とか海に纏わる妖怪の一種である事は間違いないような気がします。

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