【最新】Kindle Unlimitedで読めるおすすめ小説30選【2024年7月】
当ブログではKindle Unlimitedで読める本を紹介しています。
今回は私が実際に読んだ小説から、2024年現在Kindle Unlimitedの対象商品になっているものをピックアップし、その中から皆さんに是非おすすめしたい30作品を一つの記事にまとめてみました。
普段はKindle Unlimitedの適用範囲内で読んだ本の感想記事を書いているのですが、時間が経過するごとに既にKindle Unlimitedの対象から外れてしまっているものも多くあります。
Kindle Unlimitedは月額制のサービスなので、せっかく加入しても読める本がわからないようではお金を無駄にするだけになってしまいます。
本来Kindle Unlimitedにはその月のおすすめ作品を網羅した攻略サイトが必要だと思っているのですが、そういった媒体はまだ生まれていないようなので、個人で発信していくしかないです。
Kindle Unlimitedで読める小説をお探しの方にとって、当ブログ『Unlimited図書館』が有用になれば幸いです。
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・ミステリー
1.『マインドエラー』レンタルDVDショップのアルバイトが疑似体験できるサスペンス小説(永山 千紗)
悲惨な家庭で育った人間が心を病んでしまったり、犯罪を犯してしまう話。犯罪を扱う小説は星の数ほどあれど、斬新にもレンタルDVDショップの内容を詳細に記述し、殺人事件にもDVDを絡めた作品は、初めてじゃないかなと思います。学校の在り方の問題とか震災が与えた社会心理的影響なども取り扱っており、色々と考えることがあって面白い小説だと思います。
2.『名探偵の証明』/名探偵とは何なのだろう?年老いて引退した名探偵による推理と苦悩(市川 哲也)
名探偵・屋敷啓次郎という年老いて引退した名探偵としての立場から推理や葛藤を描いた第23回鮎川哲也賞受賞作。老化による思考力の低下が推理する時の障害になる不安や、マスメディアなどによる探偵業へのバッシングの辛さなどをわざわざ物語に取り入れていて、他の小説と被ることが無い新たな作風を生み出したと言えます。
3.『BLUE』平成の時代が凝縮された、社会派ミステリー(葉真中 顕)
とある一家が5人全員死亡している惨たらしい事件が起き、その真相に迫っていくという殺人ミステリー。平成という時代を実際にあった出来事や流行った歌などから、小説全体を通して存分に懐かしむことが出来るという特徴を持ちます。その裏では児童虐待や合法麻薬、外国人技能実習生の違法労働などが行われており、その辺りまで深く突っ込んで描写したのが、この小説の力強さだと私は思っています。読み終わった後の一つの時代を終えた感は中々表現しがたいです。
4.『教室がひとりになるまで』人間心理の深いところまで踏み込んだ超能力対決(浅倉秋成)
とある高校で起きた連続自殺事件の真相に迫るミステリー。ただの学園ミステリーではなく、超能力を取り入れている点に最大の特徴があり、それによってインパクトの強い展開を引き立てている。そんな能力バトル的な一面も楽しめる一方で内容がガッツリシリアスです。
5.『人間の顔は食べづらい』人肉食が合法化された日本で起こった大事件(白井 智之)
安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本で、出荷時に首を切り落としたはずのクローンの生首が商品ケースから見つかるという事件が起こる。この設定の時点でもはやホラーなのですが、読んでみるとミステリーとして優れています。読み進めるごとに真犯人に迫っていくような緊迫感がありましたし、登場人物も中々個性的で会話のシーンでも台詞がスラスラ頭に入って来るような趣味のいいグロ小説です。
6.『スケルトン・キー 』サイコパスをテーマにした叙述トリック(道尾秀介)
ネタバレに非常に神経を使う作品のため、記事に出来なかった小説。最後まで読むまで物語の本質に気づけないという叙述トリックを使っており、「サイコパス」と言われる存在の実情に迫った内容です。道尾秀介の小説に外れ無し。
7.『コクーンマンションへようこそ』設定がおかしい新感覚SF(高山 環)
日本のとあるマンションを舞台にした変わった設定の小説です。マンションを覆うコクーンとは何なのかという巨大なミステリーに主人公は立ち向かっていくお話。朝ドラが見れなくて文句を言ってくる隣の部屋の老人、マンションが大好きすぎる管理人さん、全身真っ黒で黒いマスクをして歩く謎の少女など、マンションという無機質な舞台を個性豊かな登場人物が彩ってくれています。
・青春もの
8.『午前零時のサンドリヨン』ボーイミーツマジシャンガール(相沢 沙呼 )
第19回鮎川哲也賞受賞作。相沢沙呼の名が世に知られるようになったきっかけの本。内容的にミステリーに区分されるかもしれないが、上に紹介した作品群と比べると大分爽やかな雰囲気の小説なので、青春ものとして扱う。実際マジシャンの女の子と主人公との距離感は中々初々しくて、恋愛小説とも言えるかもしれない。
9.『BAMBOO GIRL』宇宙人との交流を通して考える人間関係の奥深さ(人間六度)
学園アニメ風のSF。タイトル『BAMBOO GIRL』からわかるように、かぐや姫とリンクしていく話でもあります。この少女が実は宇宙から来たのですが、この小説の後半のほうから日本史上の出来事と、少年と少女の邂逅との繋がりが紐解かれて行って話のスケールが膨らんでいきます。ほかの惑星の文明が設定として面白いので、ぜひ読んで欲しい。
10.『君と夏が、鉄塔の上』楽しかった夏休みを思い出せます(賽助)
荒川沿いの鉄塔が出てくる、夏の日に読みたい爽やかな一冊。クラスメイトの不思議系女子が涼宮ハルヒ的ポジションで、主人公を半ばこき使う形で自分の目的のために呼びつけたりして、ストーリーが進んでいきます。登場人物も個性豊かで楽しめます。
・ホラー小説
11.『天使の囀り』読んだ後脳みそを洗いたくなると言われている問題作(貴志祐介)
言わずと知れた名作ホラー小説。幽霊が全く出てこないのにここまで恐怖を覚える小説というのが最初読んだ時の衝撃でした。長い時間をかけてじわじわと恐怖を味わいたい人はおすすめになります。
12.『黒い家』ホラー小説の定番!(貴志祐介)
第4回日本ホラー小説大賞受賞作。貴志祐介作品の中では最もシンプルに怖いと思えるホラー小説だと思います。ラストにかけてのハラハラドキドキ感も良いですが、私は序盤の保険会社の事務所で対応していた頭のおかしい顧客のシーンが一番恐怖を感じましたね。もちろん最後まで面白いのですが、序盤のシーンが一番好きです。
13.『十三番目の人格 ISOLA 』タイトル回収が秀逸(貴志祐介)
多重人格をテーマとしたホラー小説。ISOLAという言葉に複数の意味を持たせてその真意に迫っていくのは、さすが貴志祐介、小説の達人だなと感じてしまいます。
14.『事故物件7日間監視リポート』クセの強いホラー小説(岩城 裕明)
マンションの一室に監視カメラを設置し、知り合いの男にそこで寝泊りしてもらい、それを主人公が7日間監視して経験した出来事をもとにストーリーが進行していく、架空のホラー短編小説です。まるで心霊番組の企画のようなシチュエーションですが、そこは岩城ワールド炸裂で、なんだか幽霊以上に不気味な存在に干渉されている気分にさせられます。
15.『煉獄ふたり』幽霊なのに不自由すぎる!体の一部しか触れられない可哀そうな幽霊たち(岩城 裕明)
現世の物体に対して全く触れることも出来なければ、通り抜けることも出来ない幽霊たちの、おかしくも切ないストーリー。全部で6話で構成されており、それぞれが独立した話で一話完結にはなっていますが、どこか少しずつ繋がっている部分があって、最終的に綺麗にまとまって終わるようになっています。
16.『ゴーストフォビア』/自称サイキック探偵の姉が面白すぎるドラマ風ホラー小説(美輪和音)
幽霊と恐怖症をテーマにした、ちょっと笑えるけどしっかり怖いというホラー小説です。面白いドラマを観ているような感覚で読めますし、ちょっとライトノベルっぽい雰囲気もあります。
17.『ヴンダーカンマー』(星月渉)/登場人物全員ヤバい人
『ヴンダーカンマー』は女性作家による、息苦しい親子関係や、人の弱みに付け込んだ悪人の所業など、どろどろとした人間関係を描いた怖い小説です。不気味さはありますが幽霊的な怖さは無いので、自分の趣味と合うかどうか判断してから読むのがいいと思います。
18.『ドリーム・ランド』物悲しい昭和の遺物(櫻山 亜紀)
奈良ドリームランドを舞台とした、4つの短編小説からなるホラー小説。ホラー小説と言ってもそこまで怖くはないです。雰囲気が怖い話だったり、不思議な話だったり、奈良ドリームランドがあったころの人間同士のつながりみたいなものも感じられる小説です。ストーリーの重厚さより雰囲気を楽しみたい方におすすめ。
・コメディ
19.『フラッガーの方程式』/硬いタイトルに反して最高に笑える深夜アニメパロディだった(浅倉 秋成)
「フラッガーシステム」という超常的な力によって、主人公の行動がすべてストーリーの伏線となってしまうため、ご都合主義的なストーリー展開が最初から約束されている前提で小説がスタートします。何も考えずにゲラゲラ笑える深夜アニメパロディ。
20.『失恋覚悟のラウンドアバウト』いくつもの恋模様が回転するコメディー!(浅倉秋成)
群像劇という手法を取っているのですが、全部で6話にわかれていて、それぞれの話にオチがついていて面白いですし、前の話で謎だった部分が後の話で真実が明かされたりと、複線回収にも余念がありません。初っ端から力強い会話劇で笑わせに来る一方、恋愛模様も青春を感じるような爽やかな小説です。
21.『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)
京都で巻き起こるドタバタハチャメチャ和風ファンタジー。終始二人の主人公視点による軽快な物語進行が描かれており、それはしばしば状況説明を超えた話芸とでもいうような絶妙な言葉遊びによって、楽しい読書体験へと誘ってくれます。
・短編集
22.『夜市』(恒川光太郎)
ホラー小説という括りにはなっているが、和風ファンタジーだと思う。さっぱりした人物描写と、引き込まれるような回想シーンが意識を異世界へ飛ばしてくれる。
23.『南の子供が夜行くところ』(恒川光太郎)
「島」に関する短編を集めた一冊。一話一話の話の繋がりはほぼないが、それぞれちゃんと面白い。読み終わるころには南国の島を巡る旅を終えたような気分になっているはずです。
24.『異神先夜』(恒川光太郎)
モンゴル帝国に日本が攻められた、元寇が起きた時代の物語から始まる異色の作品。過去の時代を舞台にしている作品が多いが、本当にこんな話があったんじゃないかと思うくらい鮮明に情景が浮かんでどの話も印象に残っています。
25.『月夜の島渡り』/沖縄を舞台にした幻想的な恒川光太郎ワールド
沖縄の島々を舞台とした7つの短編から構成されている本。ひとつの短編を読み終える毎に自分の中に不可思議な沖縄の世界観が段々と出来上がってゆくという不思議な読書体験を味わえます。
26.『牛家』ゴミ屋敷の中から出られなくなってしまう!?/(岩城裕明)
清掃業者として働く主人公が、ゴミ屋敷の掃除をすることになり、作業を続けていく過程で様々な奇妙な出来事に遭遇し、翻弄されていくホラー作品。内容は難解であり、よくわからないものを楽しめる感性を持った方であれば楽しめると思います。
27.『三丁目の地獄工場』(岩城裕明)
私の中での短編小説の最高傑作。全部で5作品あるのですが、どれも方向性の異なる話でありながら、何か自分に刺さる内容で、いい意味で作者の変態性が如何なく発揮された名作だと思っています。
28.『しにんあそび』(福澤 徹三)
不気味な雰囲気のなんとも形容しがたい読後感に酔いしれる作品集だと思います。作者もあとがきでこういった小説のジャンルを「奇妙な味」と言っており、これは江戸川乱歩が使った表現らしいです。人間模様を描くのがすごく上手い作者で、他人の人生をのぞき見しているような感覚で読める小説です。
・陰謀・頭脳戦
29.『ノワール・レヴナント』(浅倉秋成)
浅倉秋成先生のデビュー作。4人の男女の視点がリアルタイムで切り替わる群像劇スタイルを取った大作です。手に汗握るハラハラドキドキの展開が好きな方は是非読んでみて下さい。
30.『プロパガンダゲーム』大手企業採用試験に残った8人が架空の国家の情報戦を繰り広げるという唯一無二の小説(根本聡一郎)
大学生男女8人が採用面接で架空の設定をもとに情報戦を繰り広げる。情報を一方的に受け取るだけの国民というのは、出される情報次第で右にも左にも意見が誘導される非常に危うい存在として描かれており、現代社会の問題点を浮き彫りにするような物語。
おわり
まとめてみると、ホラー小説多くて私の趣味の偏りを実感せざるを得ません(笑)。もっと幅広い小説のジャンルを取りそろえられるよう精進いたします。
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