【書評】『悩みの正体 何が人の心を落ち込ませるのか』(加藤 諦三)/抑圧された怒りが悩みを作り出す

何に悩んでいるのかがわからない

毎日人に合うのが辛いのに、何がそんなに辛いのかよくわからないということはありませんか?

この本は、そんな相談しても解決しないような悩みを抱えている方の、精神的な負担を減らしてくれるような内容です。

加藤諦三さんとは?

加藤諦三さんは、1938年生まれの社会学者、心理学者でもある評論家。主に心理学に関する数々の著書を発表しており、Kindle Unlimitedの対象になっている本も多いです。私もKindle Unlimitedでたまたま読んだのがきっかけで同氏を知ったのですが、20代の私でも憂鬱な感情が解消してしまうほどの効果がありました。例えるなら老賢者のような人ですね。

悩みの正体とは?

悩みの正体とは一体何なんでしょうか? その手掛かりになる内容が本書の冒頭で出てきます。それが「抑圧された怒り」というもの。人間の心理とは不思議なもので、家族や社会に対する不満・怒りなどが月日をかけて自分の内面で醸成されていき、それがいつしか憂鬱へと変化すると加藤さんは説きます。

自分が嫌いな人に好かれようとしていないか?

なんで自分はこんなに人が嫌いなんだろうと思った時、家庭の中あるいは学校生活で幼少期から自己評価が下がるような扱いを受けていないか思い出してみることが重要です。こういった境遇で育った人間は、大人になっても自分の嫌いな人に好かれようとし、そんな卑屈な自分が嫌でさらに自己批判に陥るという負のスパイラルを背負っていると、氏は言います。

生きているだけですごい

まずはそのことを自覚し、そんな境遇でも生き残ってきた自分を誇りに思う事が重要です。自分が嫌いになるような行動や考え方を改めていきましょう。また他人が怖くなくなるための実践的な方法があるのですが、それは本書を実際に読んで理解していただいた方がいいと思います。

この本を読むことのメリット

この本に限らず、加藤諦三さんの本の特徴として、読者の精神的な問題が複雑で深刻なほど、それを和らげる有効性が高まるというのがあります。逆にあまり悩みが深くない人には響かないと言えるでしょう。加藤諦三の文体には表現が繰り返される特徴があり、それが人によってはくどいと感じるかもしれません。しかし私はそれが繰り返し読者に語り掛けるような響きを生み、言葉を脳に染み込ませるような治療者の話し方だと感じています。つまり、加藤諦三さんの本を読むことは、それ自体が実践的な治療法なのではないかという事です。また、当ブログでは本書以外にも加藤さんのご著書を紹介しているので、気になる方はチェックしていただけると幸いです。

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【書評】『悩みの正体 何が人の心を落ち込ませるのか』(加藤 諦三)/抑圧された怒りが悩みを作り出す” に対して1件のコメントがあります。

  1. GitaC より:

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