日本にとっての本当の敵がわかる!『ハマス・パレスチナ・イスラエル メディアが隠す真実』(飯山 陽)

ニュースでもよく取り上げられるパレスチナ問題。今回ご紹介するのは、それに関する本です。

2025年10月現在も続いているイスラエルとハマスの戦闘ですが、地上波ではイスラエルの方が悪いという報じ方が多いように感じます。

恥ずかしながらこの本を読むまで私もイスラエルが酷い国だと思っていました。

ナチスドイツによる酷い迫害を受けた歴史をもっていながら、他民族の民間人に対して無差別爆撃をしてしまったら、同情の余地が無くなってしまうじゃないかと。

その辺りの誤解が解けるような内容になっています。

本書から私が得た見識を軽くまとめておきます。

ハマスはテロ組織

ハマスというのはイランなどの反米国家や反米組織から資金援助を受けているテロ集団なのです。

イスラエルは自由主義国家なので、当然ハマスにとって憎き敵です。

ハマスがイスラエルの民間人に対して行った虐殺は恐ろしいものでした。

ここに書くのも嫌なのでほとんど割愛しますが、遺体には手足を切断されたものもあったそうです。

ハマスのトップはカタールの高級住宅に住んでいる大金持ちです。

決してイスラエルに虐げられた経済的弱者ではないのです。

ようするにイスラエル人を残虐に殺す事でそれを喜ぶ勢力から資金援助が得られる仕組みになっているのです。

最近自民党と公明党が連立を解消した事で逆に自民党の支持が上がるという現象がありました。

日本人はよくわからない宗教を嫌う傾向があると思います。

イスラエルに対してもユダヤ教というよくわからない宗教を信じている怪しい国家としてのイメージを持っている人も少なくないのではないでしょうか。

しかしもっと大枠で国家を捉えるなら、イスラエルという国も日米欧などと同じ自由主義国家に含まれます。

敵を間違えるととんでもない悲劇が起こるかもしれません。

ハマスとパレスチナ人をいっしょにしてはいけない

ハマス=パレスチナ人ではありません。ここには注意が必要です。

ハマスはあくまでガザ地区を支配しているテロ組織であって、そこに住むパレスチナ人はある意味ハマスに自由を奪われた被害者ともいえます。

また。イスラム教徒全員が反米反自由主義者というわけではありません。

イスラム世界にもイランのような反米国家がある一方で、今回のイスラエルとハマスの戦闘についてイスラエルの自衛権を支持したサウジアラビアのような国もあります。

世界秩序を破壊したいと考える勢力は、ピンポイントで存在しているのです。

まずかった岸田外交

まだ安倍政権だった頃、アメリカとイランの関係が悪化した時に当時の安倍総理が融和のためにイランに行った事があります。

日本としてはイランとの伝統的な友好関係を結んできた外交実績があると自負しており、今こその成果を見せる時と踏んだわけです。

しかし、安倍総理の会談期間中に日本の貨物船がイランから攻撃を受けました。

イランからすれば日本は憎きアメリカと同じ自由主義陣営の一国家にすぎなかったのです。

この件から日本は教訓を得るべきでした。

岸田政権になり、イスラエルとハマスの戦闘が始まった頃G7の各国がハマスの攻撃をテロとして批判しましたが、日本は両陣営に対し攻撃制止を訴えるような的外れな声明をだしてしまいました。

日本はその両方にも加担しない、あるいは上から目線で争いなんて馬鹿な事やめましょうなどのスタンスでいると両方から嫌われます。

日本の中東研究の無理解が日本の孤立化の危険を生み出しています。

日本国内の言論人の問題

冒頭でも述べたテレビの報道番組などの、大手メディアでも親ハマス反イスラエルの思想が蔓延っています。

ハマスの実態を知っている人からすると、理解に苦しむ光景です。

純粋に無知でやっていたとしても、その言論行動がテロに加担している事になります。

日本にとってロシア、中国、北朝鮮が敵対国家だというのは理解している日本人は多いと思いますが、それが中東までいくと他人事のようになってしまいます。

実際ロシアとイランは深い関係にありますし、そのイランから資金提供を受けているのがハマスです。

結局今世界で起きている戦争の勢力図は自由主義陣営とそれを壊したい独裁国家・テロ組織の対立に収束されるのです。

イスラエルを叩いてハマスを支持すると、喜ぶ国というのはどこなのかを考えていくと日本の大手メディアの危険性が見えてくるのではないでしょうか。

まとめ

本書は別の媒体で発信されていたコラムを一つの本にまとめたような形になっているので、全体としての構成は読みにくい部分があります。

日本の言論界への攻撃も激しく、そもそも普段テレビなど見ない人にとっては興味のない内容も多いかもしれません。

イスラエルやパレスチナの歴史を勉強する目的で読み始めると面を食らってしまうでしょう。

普段テレビの情報にも触れて(しまって)いる人にこそ読んで欲しい本ともいえます。

2年前に出版された本ですが、2025年現在未だにイスラエルとハマスの戦闘は続いています。

今何が起こっているのかを理解する上でもまだまだ大変参考になる本なので、Kindle Unlimitedで読んでみて下さい。

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