【紹介・感想】『凶乱令嬢ニア・リストン』/己の拳で幼女が異世界に挑む!?

あらすじ

とある貴族の家に、病床に伏す幼い少女がいた。両親は大金を使ってある魔術師を雇い、蘇生を試みた。しかしその魔術師にも完ぺきな方法は見つからず、その娘に別の魂を憑依させることで時間を稼ぐことにした。だがその憑依した魂の持ち主は、前世が戦闘狂の、肉体を操るスペシャリストだった。巧みに「氣」を集中させ、その少女の肉体に宿る病を追い込んでいく。こうして端から見ると奇跡的な生還を果たしたとしか思えない幼女がその世界に爆誕した。彼女はただ純粋に、血沸き肉躍る戦いを求める。

本書の見所

『凶乱令嬢ニア・リストン』の見所としては、まず上に書いた通り、最初の設定が既に面白いことですね。異世界転生ものだと、前世の現実世界では冴えない人間だった主人公が、転生した異世界で覚醒する展開が多いと感じますが、本作品では死にそうな幼い子供の体に最強の魂が宿って覚醒するという珍しい初期展開になっています。そういう意味では『幼女戦記』に似ていますが、『凶乱令嬢ニア・リストン』は第一次世界大戦のドイツが舞台ではないですし、『幼女戦記』より小説全体の雰囲気は明るいです。ただ暴力的な部分は共通しています。

意外と深い?

ニア・リストンに憑依した自我の内面の語りがテンポ良くて読みやすく、またその内容も洞察に優れてて深いなと感じることも結構ありました。例えば鍛冶屋を訪れるシーンがあるのですが、鍛冶屋で職人が武具を作る過程を眺めていて、ニアは自分の前世を思い出し、反省します。ニアは前世で鍛冶職人が丹精込めて作った防具や武器を、力に任せて破壊しまくっていたことを思い出したのです。この話を読んで昔、岡田斗司夫がジブリの宮崎駿は破壊ではなく生産の描写を重視しているというような内容を語ってたことを思い出しました。破壊しか興味がない消費者に考えさせるものがあります。

発想が完全に武井壮

それから、新しく出会う者たちに、幼女が戦って勝てそうかどうかで品定めしているのが笑えます。人間だけでなく物にまでその脳筋思想は徹底しており、その世界のテレビのような道具である魔法映像(マジックビジョン)を初めてみた時も、「「氣」を伴わない私の頭突き一発で粉々にできそうなほど繊細なもの」とまず認識しています。発想が完全に武井壮です。

2巻の発売は決定っぽい

まずタイトルが『凶乱令嬢ニア・リストン1』となっているので、続編が出ることを想定したものだと思いますし、あとがきで作者が「それでは、また二巻で」と言っているので、2巻の発売は決まっているとみてよさそうです。Kindle Unlimitedに登録されたためかレビューの数も多く、評価も高いので今後伸びる作品かもしれません。この芯の通った幼女の肉弾戦の軌跡を見届けたい方、是非この機会に読んでみてください。

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