【感想】『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』/主人公のヒロインは主人公⁉(三嶋 与夢)

こんにちは。今日は小説になろうでも話題となり、アニメ化もされた『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』の原作小説のライトノベル版を読みましたので、その感想を核心的なネタバレを避けつつ書いていきたいと思います。

あらすじ(Amazonより引用)

剣と魔法の“乙女ゲー”の世界に転生した、元日本の社会人だったリオンは、
その女尊男卑な世界に絶望する。
この世界では、
男なぞは女性を養うだけとの家畜のようなものであった。
そんな理不尽な境遇において、
リオンはある一つの武器を持っていた。
そう前世で生意気な妹に無理矢理攻略させられていたこのゲームの知識である。

本当は田舎に引きこもりのんびりとしたいリオンだったが
その知識を使い、やりたい放題の女どもとイケメンに、
はからずも反旗を翻すのだった。

どんな内容か

このライトノベルは、ジャンルとしては異世界転生モノになります。ただこれまでの作品と違うのは、本来乙女ゲーの世界だった異世界に男主人公が転生するという男性向けの作品ということです。ちょっと話は変わるのですが、最近久々に「小説家になろう」のサイトのランキングを見てみたら、その上位作品がもうほとんど乙女ゲーを舞台にした「悪役令嬢モノ」ばかりになっているんですね。こういった時代の流れをしっかり汲んだからこそ売れている作品なのでしょう。

さて、物語の内容についても触れていきます。物語はまず現実世界から始まります。妹に乙女ゲーをクリアするように指示されている主人公の男は、やりたくもない異世界を舞台にした乙女ゲーをブツブツ文句を言いながら攻略していきます。この乙女ゲーは元々男系向けのゲームを制作していたメーカーが、新たに乙女ゲーに手を出して出来た作品だけあって、乙女ゲーなのに戦略シミュレーション要素なども盛り込まれています。そのためどうしても倒せない敵が出てきて、主人公はついに課金アイテムに手を出し、これが後々重要な伏線になってきます。

そして、転生先の世界はあらすじにも書いてある通り女尊男卑の、男にとって生きづらい世界でした。男には結婚相手の選択の自由がほとんどなかったり、女性キャラから酷い罵りを受けたりしています。注意しなくてはいけないのは、作者があとがきで書いている通り、これはあくまでこの小説限定の設定であり、一般的な乙女ゲームがこんな内容ではないという事です。実際読んでいて共感しにくい部分もありますし、あくまでそういう設定自体をコメディとして考える必要がありそうです。そして主人公は、こういう世界観そのものに反抗していくという復讐劇のストーリーとも言えます。

読んでみた感想

『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』を読んでみた感想を書いていきます。まず全体に関して、この小説は中盤~後半にかけて面白い作品だと思いました。正直序盤あたりは、まず転生する過程と転生先の世界のルール説明のようなゲームのチュートリアル的な内容で、そこまで楽しくはなかったです。面白くなり始めるのは学園パートが始まってからです。学園パートになると、やっと前世でプレイしていたゲームのイケメン男子たちや、主人公の女子も現れます。この乙女ゲー主人公の女の子の作中でのポジションが、全く私の想像していなかった出し方だったので意外性がありました。

学園パートが始まると、そこから物語は後半に向かって盛り上がりを見せていきます。ネタバレになるので、詳しくは言いませんがストーリー自体は主人公が一つの目的に向かって奮闘していく王道パターンをしっかり押さえたものだと思います。主人公・リオンは性格にひねくれた部分があり、結構クズい発言も多いのですが、実はそれが他者に対する配慮や全体を意識した工作だったりして、『俺ガイル』の比企谷八幡のようなダークヒーローに近いです。設定自体は乙女ゲーに転生するとかその世界の階級のルールとか、これまでにないこの小説独自の要素を交えながら、ストーリー自体は勧善懲悪的なみんなが喜ぶ王道展開をしっかり踏んでいくというスタイルが、多くの読者にウケた理由なのではないでしょうか。

まとめ

『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』は、男の主人公が乙女ゲーに異世界転生して女尊男卑の特殊ルールの中で奮闘していく物語です。前半は現実離れした内容についていけなかったり、ちょっと特殊なルールを覚えなくてはいけなかったりで躓くかもしれませんが、学園パートが始まる中盤から面白くなっていき、最終的には爽快感あふれるストーリーになっていくので、興味があれば是非最後まで読んでみて欲しいです。Amazonのレビューでは、アニメを視聴した後に設定確認のために読んだ方もいるようです。また、男キャラは多くて混乱するので、わからなくなったら最初の人物紹介のページに戻って絵を確認するのがいいと思います。

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